入試ガイド・問題集2023
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鉛筆デッサン与えられたモチーフと、“手”を条件内で自由に構成・配置し、鉛筆で画用紙ボードにデッサンしなさい。※条件 1.モチーフは、傷つけたりしないこと。     3.“定規”の表現で、拡大・縮小は自由ですが、プロポーションは変えないこと。 〈モチーフ〉定規   1個    2.“手”と“定規”の動きや開き角度、数は自由です。    4.画用紙ボードの縦・横の使用は自由です。58出題意図 デザイナーに必要な、形態・構造・材質感・構成感覚や色彩感覚といった基礎力が、日常生活や自然界など日頃から観察し、表現する力を入学前にどの程度習得しているかを見極める。デザインコミュニケーションの手段として、その礎となるデッサンは、対象物を良く観察し、その構造を理解・分析し、表現する事であり、秩序ある立体感、空間感を意識し、表現することも重要なポイントである。構成の意図が明解な躍動感のあるデッサンである。見せ場となるモチーフと指の動きが作り出す空間の表現ができている。手の重量感、モチーフの透明感、意図したことを表現しようという作者の強い意志を、作品全体から感じる力強いデッサンとなっている。手の質感表現を丁寧に追って描いたことがうかがえ、手は生身の生命感を感じる。細かく観察する力を感じる作品である一方で、指の長さなど骨格から想像する正しい形の把握に欠けたことが残念である。モチーフの特徴である角度に着目し、直角に曲げたモチーフと手の角度がリズミカルな構成が面白い。鉛筆のタッチが細かく巧みで、様々な階調を使って描かれているため、重量感としなやかさを合わせ持った緻密なデッサンに仕上がっている。両手でモチーフを持つ自然な動作による素直な構成が好印象である。手の描写では、陰影を丁寧に捉えて細かく形を描こうとする姿勢が伺える。遠近感など大きな立体感を捉えられると更に良くなる。2.【表現力】手の形態・構造などを良く観察し、モチーフの形態や材質感を3.【芸術力】画面全体に秩序・整合性があり、魅力(個性)のある画面である以上の点が、出題条件内で表現されているかがポイントである。採点ポイント1.【構成力】モチーフの形態・材質などの特徴を観察、理解し、手とモチーフとの関係を考え、バランスの良い構成表現をすること捉え、空間感も含めて客観的に表現することことデザイン・工芸学科❷ 学力試験(学力試験の問題はP.20〜24をご参照ください)一般選抜(A日程)❶ 鉛筆デッサン 4時間 B3ボード(画用紙)  プロダクトデザイン専攻

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