入試ガイド・問題集2023
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問題60「動き」をテーマに、与えられた素材の特性を生かして自由に構成し画用紙ボードの上に配置し、その全体を鉛筆デッサンしなさい。※条件 1.ケント紙、スチレンボードは、必ず両方使用すること。 2.モチーフはすべて使用しなくてもよい。3.画用紙ボードも含めてデッサンすること。〈モチーフ〉1.ケント紙 A3 2.スチレンボード A3 3.画用紙ボード B4 3枚1枚1枚滑らかで張りのあるケント紙の動きと、対照的に水面を思わせるカットを入れたケント紙の対比が成功している。カットされた模様が作り出す複雑な陰影を丁寧に観察して、繊細なタッチで描写されている。スチレンボードとケント紙の特性を生かして、ダイナミックな動きとしなやかな動きを対比させた構成である。紙の動きが作り出す陰影の変化が丁寧に描けており、目に見えない空気の動きを感じられるデッサンである。〈学校側で準備するもの〉1.カッターマット2.両面テープ出題意図 工芸では、糸や布、粘土、ガラスなどの素材を用いた創作が行われる。素材に触れ、素材の特性を見出すことでさまざまな発想が生まれ、豊かな創造性が育まれると考えている。今回は、作者がスチレンボードとケント紙のどのような特性を見出すか、そしてその特性を生かしてどのような発想でB4画用紙ボードという「場」に「動き」の空間構成を作り出すかに着目した。細長い棒状のもので刺すことによってケント紙の張りのある表情と緊張感のある動きが表現できている。造形物が画面中央に、大きく描かれて非常にダイナミックな描写になっている。モチーフの形態と質感が的確に描けている。紙の持つ異なる特性を生かし、単純な形を組み合わせて画用紙ボードいっぱいにリズミカルに配置したことで、物語を想起させる空間が生まれている。形態も的確に捉えられており、紙の質感もよく描けている。採点ポイント与えられたスチレンボードとケント紙の特性を生かした「動き」の世界を作り出し、それを鉛筆デッサンで的確に伝えることができているかがポイントである。「場」となる画用紙ボード上で造形物の空間構成が効果的になされていること。造形物の形態や質感をしっかりと描写し、構成された「動き」によって生まれた空間の雰囲気を感じさせる描写になっていることが重要である。デザイン・工芸学科❷ 学力試験(学力試験の問題はP.20〜24をご参照ください)一般選抜(A日程)❶ 鉛筆デッサン 4時間 B3ボード(画用紙)  工芸専攻

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