入試ガイド・問題集2023
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アート・デザイン表現学科全領域共通69 中央に密集させるようなモチーフ組みは、動きや広がりを感じさせる構図にすることが難しい。しかし、混んだ配置は固有色や質感のコントラストを引き立てることがあり、この作品はその効果をうまく取り入れている。楕円の形の取り方が不安定ではあるが、質感の印象をよく表現できている。モチーフの見せたいポイントをうまく引き出せている構成となっている。それぞれのモチーフの質感の違いがよく表現されている。特にタオルとステンレスボールの描写は手に取ってみたくなるようなタオルの心地よさと温度まで伝わってきそうな金属感が表現できている。安定した構成とともに鉛筆の特性が活かされた作品になっている。伸びやかに配されたモチーフで、空間の広がりが感じられる。タッチがやや荒く、ハイライトが鈍くなってしまった。そのため質感表現にあと一歩の余地を残している。形態の把握は的確で、量感の表現に結びついている。素直で丁寧な描写をしている点は好感が持てるが、モチーフの構成が消極的である。構成することでできる空間にも意識を向けてデッサンしてほしい。全体の色調も良く画面全体を活かした構成をしている。若干タオルの硬さとステンレスボールの形状が気になるが、それぞれのモチーフの質感の違いが表現できている。鉛筆の柔らかさを活かした安心感のもてる作品になっている。【ヒーリング表現領域】鉛筆デッサン 採点ポイント ●画面の中にそれぞれのモチーフの大きさと配置を考えて、バランスの良い構成をしている。●それぞれの基本的な形を捉えるとともに、モチーフ間の空間を表現している。●鉛筆の特性を活かして、それぞれのモチーフの質感を表現している。【ファッションテキスタイル表現領域】鉛筆デッサン 採点ポイント●モチーフをよく観察し、形態、質感、色調などが的確に表現できているか●モチーフの構成、配置等、バランスよく表現できているか●モチーフが置かれた空間(奥行き、高さ、広がり)が感じられる表現となっているか【アートプロデュース表現領域】鉛筆デッサン 採点ポイント●画面の中にそれぞれのモチーフの大きさと配置を考えて、バランスの良い構成をしている●それぞれの基本的な形を捉えるとともに、モチーフ間の空間を表現している●鉛筆の特性を活かして、それぞれのモチーフの質感を表現している

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