大学案内2023
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注染は、手ぬぐいや浴衣などを染める型染めの伝統技法の一つです。裏表なく染めることができるところが特徴です。注染は、小幅布の染色が一般的ですが、授業では、本学名誉教授の柚木沙弥郎先生が注染工場を見学された際のひらめきから考案された手法で、広幅布の注染を制作します。今の暮らしに提案したい「布」は何かを考察しながら、“注染”を探求します。注染工場の見学を通して産業としての注染と社会との関わりも学びます。糸を部分的に防染して、色を染め分けることで模様をつくる絣技法を学びます。経絣の特徴であるリピートパターンの美しさと、色相・明度・彩度などのコントラストを生かして、多彩な絣模様を研究します。また防染した緯■■糸を一段ずつずらして織り込み、奥行きのある柄を作りだす沖縄の「手結い絣」を習得し、絣の表現の幅を広げていきます。4年間の集大成である卒業制作では、それまでに学んだ技法や素材に加えて、各自の表現に応じた技法と素材研究を行います。帯や着物、F100号相当のパネル制作の準備として、試作や試染を重ね、アートとしての刺繍に昇華させていきます。近年の卒業制作では、日本刺繍だけでなく、欧風刺繍やミシンを併用した作品も増えています。ひとりひとりが自分の制作テーマを探求し、自分が何を作っていくのかを探求していきます。それぞれのテーマにあった素材、技法、展示方法などさまざまな観点から自分の作りたいものを検討していく授業です。写真は絵付け器物に取り組んでいる様子です。染:注染(4年次)織:経緯絣実習(3年次)刺繍:卒業制作(4年次)陶:テーマの探求/検討(3年次)153

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