大学案内2023
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で死んだふりをしてみたり。それでもやっぱり、遊んでもらえないんですが(笑)。細かいところにこだわって演出するのは、今も変わっていません。そんな幼少期を経て、母の勧めもあり中学からは女子美に通い始めました。それまで周りから「変わってる」と言われることが多かったけど、女子美に行ってみると、自分よりも変わった人たちが大量にいた(笑)。自分ってすごく普通だったんだ! って。それに、友達も先生もみんなすごく穏やかで、どこかのんびりしていて。そんな環境でのびのびと育ってこられたから、自分のペースや自分の感覚を、そのまま生かして大人になれたのかなと思っています。グラフィックの道を本気で考えるようになったのは、大学3年の広告の授業がきっかけでした。自由に作品をつくっているように見えて、実はけっこう制約がある。その中でどれだけ伝えられるかを考えるのが、クイズを解いているようで楽しかったんです。ただ、(内緒だけど)あまり真面目な学生ではなかったから、課題に取り組むのが締め切りギリギリだったり、就職活動ではみんなが受けているからと広告代理店を受けて結局全部ダメだったり。でもそれが、今でもお世話になっている大貫卓也さんとの出会いにつながっていくのですが。決して諦めないこと。それは、大貫さんや、以前師事していた野田凪さんの背中に教わった大切なこと。作品づくりもそうだし、自分がいきたい方向がもしあるのなら、そこにいくにはどうしたらいいかを考えて、徐々に近づいていけばいいと思うんです。(2017年3月取材)273未来手帖OG SPECIAL INTERVIEW 01

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