大学案内2023
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時世だからといって、『制限されている』と感じてしまうのはもったいないですね。今はSNSもありますし、家から世界に向けて発信もできる。こんな状況を逆手にとって前向きに歩んでいくのが健全な生き方かもしれませんね」自分だけの物差しを武器に、自分だけの物差しを武器に、チャレンジャーになろう。チャレンジャーになろう。舘鼻 「大学4年の時に、卒業制作の作品案内を世界中の出版社や著名なスタイリストなどのファッション関係者に100通程送ったのですが、返事が来たのは3通だけでした。でも、そのうちの1通がレディー・ガガの専属スタイリストからで、『1週間後に来日するからすぐに用意して』と言われて作ったのが『ヒールレスシューズ』です。99通がダメでも、ひとつ成功すればそれまでのすべてが報われることを実感しました」假屋崎 「まさに一人で世界へ飛び出してチャンスをつかまれましたね。でも100分の1は高い成功率ですよ。アーティストなら、何百回ダメでも『なにくそ!』って次に行ける強い意志、諦めないメンタルが必要です」舘鼻 「最初は何の反応もなくても、ひょんなきっかけで広がっていくかもしれない。最初の一歩を踏み出す勇気はいるけれど、諦めなければ自分次第でどうとでもなる。それを楽しみに発信し続けるのがいいと思います。新しいことはこれまでの物差しで測れないので、評価は後からついてくるのです。レディー・ガガが履いてくれた作品も、卒業制作として大学内では高い評価は受けなかったほどです」假屋崎 「過去と同じことの繰り返しでは表現をする意味がないですからね。私は学生さんには、常にチャレンジャーであってほしいです」舘鼻 「古典的でコンサバティブな要素と、アバンギャルドな要素、どっちも取り入れてほしいですね。表現者は世間一般とは違う自分だけの物差しを信じて作り続けることが大切です」本物を知らないと、本物を知らないと、本物は生み出せない。本物は生み出せない。舘鼻 「華道は昔からあるものですが、取り扱う素材は生花なので、刻々と姿が移り変わって、常に同じ姿ではないのが面白いですね」假屋崎 「朝と夜でも違うし、チューリップなんかは太陽の方向を追いかけてどんどん花が動きます。それに、買ったまま忘れていた玉ねぎから芽が伸びちゃった姿なんかも『面白いなぁ!』と思います。日常の中には美しいもの、面白いものがいっぱいありますよね」舘鼻 「そうした美を発見する感性を磨くために必要なことは何だと思いますか?」306

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