入試ガイド・問題集2024
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美術学科洋画専攻❶❶  ❷❷37過度な演出はせず自然体でモチーフと向かい合う姿勢に好感が持てるデッサンである。下絵の段階で絵の主体となるエプロンやレモンの位置を的確に判断し、心地のよい間を作り出すことに成功している。また、モチーフを丁寧に観察し、それぞれの質感を描き分けられている。特にエプロンの柔らかな質感を良く表現できている。モチーフにできる陰影を丁寧に捉えられているのはもちろんのこと、床に映りこむ影までも作品の重要な要素へと昇華できる表現力を評価した。モチーフ台から立ち上がる布と吊るされた布の上側が切られた構図は、垂直方向の縦へ伸びる動きと重力を感じさせ、大胆な空間構成だ。説明的なモチーフ描写よりも、目の前の状況に反応して構図を組み立てて描いていることにも好感が持てる。紙の凹凸を活かした木炭の重ね方も丁寧で、軽やかなグレートーンでの描画方法と背景のコントラストも効果的な絵画作品に仕上がっている。多様なメディアを活用する表現の可能性にも結びつき評価した。【木炭】【木炭】

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