美術学科日本画専攻41 白いお面、艶消しの瓶、木製レンガ、和紙など、それぞれの質感がよく表現されている反面、形が少し弱いところが見受けられる。影色が濁らず画面の印象が明るい事も魅力の一つである。構図もゆったりとしており、お面も効果的に配置出来ているため、積極的な表現ができると更に良くなったと思う。背景の青とお面の黄色など、思いきった色の対比が印象的な作品。瓶を主役に構図を組み立て、主張の強いお面をさりげなく脇役に回しているが、個性的な表現に成功している。全体的にモチーフの印象が小振りに感じる事が残念だった。リンゴの色味に自然感が出ると画面の色のバランスが良くなったと思う。絵具の塗りが淡白な仕上がりだが、構図や見せ方の演出など、全体のバランスは良い作品である。個々のモチーフも強さはないが、素直な表現がされており好感が持てる。特に、カットしたリンゴは薄塗りの良さを生かして瑞々しく表現する事に成功している。
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