問題56「連なり(つらなり)」をテーマとし、与えられた素材に、折る・切る・貼るの行為を加え、画用紙ボードの上に配置し、その全体を鉛筆デッサンしなさい。※条件 1.ケント紙、スチレンボード・トレーシングペーパーの3種類は必ず使用すること。 2.モチーフは全部使い切らなくてもよい。 3.画用紙ボードも含めてデッサンすること。〈モチーフ〉A3 3枚1.ケント紙 2.スチレンボード A3 1枚3.トレーシングペーパー A3 2枚4.画用紙ボード A3 1枚※2023年度の実施内容です。今年度の詳細は2024年度学生募集要項をご確認ください。〈学校側で準備するもの〉1.カッターマット2.両面テープ出題意図 工芸では、糸や布、粘土、ガラスなどの素材を用いた創作が行われる。素材に触れ、素材の特性を見出すことでさまざまな発想が生まれ、豊かな創造性が育まれると考えている。今回は、作者がスチレンボードとケント紙、トレーシングペーパーという異なる紙素材からどのような特性を見出すか、そしてその特性を生かしてテーマである「連なり」からどのような世界観をA3画用紙ボードの「場」に作り出すかに着目した。紙を折り重ね連ねることで生まれた造形物をバランスよく構成している。三角形を組み合わせた形は方向を指し示す力強い印象に描けており、内側に出来た空間や光の色調も美しく描写できている。2つの立体物を対比させ、ケント紙で表現された植物のような造形がお互いの関係性を感じさせる構成となっている。曲面の立体物の形態と陰影を正確に捉え、空間が描写できるとより良いデッサンになる。採点ポイント与えられた素材に折る・切る・貼るという行為を加えることでどのように「連なり」というテーマを表現するか、それを鉛筆デッサンで的確に伝えることができているかがポイントである。「場」となる画用紙ボードの上で造形物の空間構成が効果的になされていること。造形物の形態や質感をしっかりと描写し、構成された空間を感じさせる表現になっていることが重要である。ケント紙に規則的に切れ目をいれることで生き物の動きを想像させる連なりがリズミカルに表現されている。高低差をつけて配置し、場の遠近感や流れを感じさせる描写になっている。連続したアーチの連なりがリズムを感じさせる構成になっている。モチーフの陰影を観察し描写することで場の空間が表現出来ている。それぞれの素材の質感をより丁寧なタッチで描き分けられると更に良い。デザイン・工芸学科❷ 学力試験(学力試験の問題はP.12〜16をご参照ください)一般選抜(A日程)❶ 鉛筆デッサン 4時間 B3ボード(画用紙) 工芸専攻
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