広報誌No.198_
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美人画を中心として数多くの作品を発表しながらアパレルブランドや小説、CDなどさまざまなプロダクトとのコラボレーションも果たしてきた日本画家・丁子紅子さん。透明感のある筆致には、女子美での学びが息づいていると語ります。画家である叔父の影響で、小さい頃から個展に行くのが日常でした。遊び道具といえば筆や絵の具といった画材です。お絵描きをすると褒められるのが嬉しくてまた描く。そうやって、毎日のように絵を描いていた記憶があります。芸術の道に進もうと決めたのは中学の頃です。近所の高校に絵画専門のコースがあると知り、進学することにしました。叔父が画家なら父は板前。自営業ばかりの家系で育ったからか、私のユニークな進路選択を家族はなんら気にすることなく応援してくれました。高校1年の頃はさまざまな分野に触れ、2年次には日本画に絞ります。祖父が掛け軸や日本刀を扱う骨董屋を営んでいたこともあり、日本の伝統工芸にはなじみがあったのです。大学でも日本画を学び続けたいと思うようになりました。女子美に進学するきっかけとなったのはオープンキャンパスです。その頃は日本画だけでなく手描友禅にも興味がありました。日本画を担当されていた岸野香先生に相談すると「日本画で身につけた技術は友禅を含め幅広く活かせるよ」とのこと。ここでなら、日本画とテキスタイル、どちらの道も開ける。そう考えて絵画は「引き算」。観る人が入り込める余白を。  

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