問題鉛筆デッサン72与えられた素材をすべて使い、自由に組み合わせて、鉛筆デッサンしなさい。パスタの袋は開閉自由。※注意 1.画面は縦横自由とする。 4. 下描き用紙は試験終了後に回収するが、採点の対象とはしない。 5.試験場で配布されたものは持ち帰ってはならない。〈モチーフ〉1.パスタ 2.ケチャップ 3.ニンニク 全体に真面目に描かれている。それは全てのモチーフの細部にまでわたり、真面目な印象の作品である。同じようになってしまっている。物を色で捉えるだけではなく、質で捉えることでずいぶんと見え方も変わってくるはずである。いろいろな視点から対象を観察することが必要である。全てのモチーフをしっかりと描き切っている作品で、構図も、少し斜めに見下ろす空間の奥行きを十分に感じさせる効果的なものとなっている。ただ、一番目につくモチーフであるケチャップのボトルの形が歪んでいるため空間がスッキリと抜けていない。モチーフのそれぞれが持つ質感や印象も一様な感じもする。2.受験番号のシールを貼っていない面に描くこと。 1袋1個1個3.与えられた素材は全て使用すること。 B3ボード(画用紙) 全てのモチーフをしっかりと描ききっている。構図も画面全体に大きくモチーフを配置して力強く印象的である。その構図であるが、パスタとケチャップのボトルを直交する関係で配置して、その関係に沿うようにニンニクが構成されている。明らかに意図的な構図で面白いのだが、そのことで作品全体のパースの関係の不自然が気になって、作品に不安定さを与えているので注意した方が良いだろう。全体として弱い印象があるが、物の構造や水平と垂直の関係を的確に捉え、また、ひとつひとつのモチーフを丁寧に描いているため、多くの作品のなかでもスッと目に飛び込んでくる作品である。影と陰を丁寧に描き分けることで、その時の光の印象を捉えていて、それもこの作品の魅力といえる。繊細な視線を感じる良い作品である。出題意図 2年間でさまざまなことを集約的に学び、自分の持つ能力を開花させていくために必要な感性や、基礎力としてのデッサン力、構成力を評価することが目的である。素直で豊かな発想力やバランスのよい構成力を持ち、対象物をしっかり観察して理解・把握し、的確に表現していく力が備わっていることが必要である。採点ポイント● 個々の素材の特徴を形、素材、色、大きさといった点から、的確に表現 できているか● それぞれの素材が効果的にバランスよく配置され、構成されているか● 作品を通して作者の感性豊かなセンスが感じられるかどのモチーフも丁寧に描き分けられていて、それぞれのモチーフの特徴が全体の中の良いアクセントとなっている。質感の違いやモチーフの持つイメージは絵作りのための大切な要素となるので、デッサンの勉強をする上で、ある程度形がとれるようになったら、積極的に取り組んでみると良いだろう。パスタを大きく引き出して一つのかたまりとして扱っているところは面白い。縦構図で手前の空間を広く設定しているのだが、3点のモチーフを画面右上から対角線上に並べてしまったために絵作りが難しくなっている。背景まで描いたことでバランスは辛うじてとれているが、最初のモチーフの配置に配慮が必要であろう。短期大学部一般選抜(A日程)❶鉛筆デッサン 4時間 造形学科
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