ります。そういう力を引き出せるプロデューサーを育てたいと思っています。領域融合の学びのなかでは、特に私たちは他の4領域から学ぶことがたくさんあると思うんです。表現の追求、制作へ向かう態度やプロセス、それらを一番近くで観察し、良き「伴走者」としてどのようにその魅力を伝えるか、誰に届けるべきかを考えて実行していく。表現の可能性をさらに拡張する、媒介者の役割を果たしていきたいと思っています」3年次後期の5領域合同授業が領域融合の集大成にうえに、この新しいアート・デザイン表現学科の領域融合の形があります。新しいカリキュラムで特に意識しているのは、3年次後期という、それぞれが専門性を積み上げ、専門家としての意識が高まっている時期に5領域すべてが融合する合同授業を行うことです。それぞれの専門性をきちんともったうえで互いに混じり合い、共通の目標に到達していくことに、大きな可能性があると思っています。異なる専門、異なるアイデア、異なる価値観が混じり合い、カオスの中から思いがけない新しい動きが生じてくる。このエネルギーで、協働と融合の祭典のようなものができるのではないかと考えています」季里(MD) 「現在のカリキュラムでも2年次に全領域合同授業があり成果が出ています。この合同授業をさらに進化させるために各領域の専門分野を極めてからコラボレーションすることで、自分の専門性を持って他者を理解していく大きなきっかけになると思っています。大勢の、さまざまな人が集まり、一つのゴールに向かっていくなかで、相手を尊重し、多様な表現に興味を持って自分を出し切る。その経験は、オープンなコミュニケーションの方法を学ぶいい機会にもなります。アート・デザイン、その中心に人がい新カリキュラムの目玉ともいえる3年次後期の5領域合同授業。具体的なテーマはまだ構想段階ということですが、この授業の意義や内容について、ぜひ今の考えをお聞かせください。保高(HL) 「領域融合自体は、14年前にアート・デザイン表現学科ができた時から強く意識されてきました。お互いの専門が交わるうちに化学変化が起き、新しいものに化けていく。その積み重ねの
元のページ ../index.html#175