従来の洋服の形に縛られず未来につながる独創性を探究していきましょう。ファッションの力で未来を切り拓いていく人を。これまでのファッションテキスタイル表現領域から、ファッション表現領域へ。本領域は2024年度から名称変更をし、新しいカリキュラム・新体制で取り組んでいきます。コロナ禍以降、ファッション業界は大きく変化し、さらなる変化の途中でもあります。そのようななかで、ファッションとテキスタイルを通して、未来を切り拓いていける人を育てていくことが、私たちの目標です。もちろん専門学校でも技術を習得することはできますが、女子美で学ぶ意義として、想像力をより豊かにし、自分自身で考え、物事を創りあげていく力を深めていってほしいと思っています。社会で活躍するために必要な実践力を身につける。ファッション表現領域は、実践の現場で活躍している先生が多く揃っています。私自身も、女子美で教員を務める一方で、2014年に自らのブランド(KEIKO NISHIYAMA)を立ち上げ、ファッションの現場に携わり続けています。実際の現場で必要になるのは、当たり前ですがクリエイティブの力だけではありません。リサーチ能力や段取り力、マネジメント能力など、全体を見渡して周りをまとめあげていくことも求められます。特に近年は、企業に就職して経験を積んでから独立という道だけでなく、学生のうちから自己表現できる場がだいぶ広がっていて、実践の場も増えています。ここでゼロをイチにする力を養いながら、ぜひ活躍の場を自分自身でつくりあげてほしいです。また、日本のファッション業界にとらわれず、より広いフィールドでグローバルに活躍できる人を育てることも見据えて、語学系授業の強化に加え、他分野やインターナショナルに活躍している先生を招いた授業も増えていきます。ゼロから自分らしいデザインを生み出すために。インターネットでなんでもすぐに調べることができる時代。でも、簡単に調べられるからこそ、自分でゼロからつくりあげていくことが難しくもなっています。そんな背景から1年次では、ファッションを取り巻く基礎を学びながら、自分の好きなもの、自分らしいもの、新しいものをいかにつくりあげていくかを、頭と手を使って強化していきます。具体的な洋服づくりの基礎力を高めながらグループワークにも取り組む2年次を経て、3年次になると他分野とのコラボレーション力やマネジメント力をグループワークによりさらに高めていきます。そうして4年次の卒業制作までに、ゼロから自分らしいデザインを生み出す課程をたくさん経験し、それを実現できる力を育んでいきます。周りの人や社会にも目を向けて。世の中が混沌としていて、今この瞬間も悲しいニュースや暗いニュースがたくさん流れてきています。けれど、どんなに悲しくても、人は生きていかなければなりません。洋服って、衣食住のなかで一番必要とされない分野ではありますが、人が生きるために、その人生を豊かにしていく力を確実に持っています。クリエイションを通じて人と関わり、誰かを楽しませ、喜ばせたい。そんな思いを持った人にぜひ来てほしいと思っています。また、ファッションは社会や人とのつながりが欠かせない分野ですから、社会問題や環境問題など、広く社会にも目を向けることで、従来の洋服の形にすらとらわれない、未来につながるファッションを見つけ出すことができるかもしれません。デザインやアートには正解がありません。自分の“好き”や“個性”を大切に、たくさんのアウトプットをしながら、あなたらしい答えを一緒に探していきましょう。ファッション表現領域 西山景子 准教授女子美術大学ファッション造形学科卒業。2010年に渡英、セントラルセントマーチンズ準修士卒業後、2013年ロンドンカレッジオブファッション大学院卒業。2014年ロンドン・ファッションスカウト若手支援・ワンストゥーウォッチショー受賞。日本帰国後、フェイラージャパン勤務。2021年自身のブランドの実店舗をオープン。
元のページ ../index.html#203