大学案内2025
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“華道家”として花に関するさまざまなプロデュースを手がけ、国内はもとより世界各地で華道を広める假屋崎省吾先生。レディー・ガガの専属シューメイカーを経て、現代美術家として日本古来の文化を現代的な視点で掘り下げる舘鼻則孝先生。日本の伝統文化を武器に世界で活躍を続けるお二人から、いま美術を学ぶことの価値について語っていただきました。どんなときも、どんなときも、日常生活の中に感動がある。日常生活の中に感動がある。Shogo KariyazakiNoritaka Tatehana335SPECIAL 対談東京生まれ。日本初の“華道家”として世界各国で個展やデモンストレーションを開催。米大統領来日時や天皇陛下御在位10年記念式典において花の装飾を手掛けたほか、「花博」にも多く参加している。着物やジュエリー、ガラス器などのデザインやプロデュースも行う。女子美術大学短期大学部 客員教授。(写真:左)東京生まれ。現代美術家として国内外の展覧会へ参加。伝統工芸士との共同制作にも精力的に取り組む。代表作である踵のない「ヒールレスシューズ」は、NYメトロポリタン美術館などに永久収蔵されている。女子美術大学 デザイン・工芸学科 工芸専攻 特別招聘教授。(写真:右)假屋崎先生(以下、敬称略) 「私は“華道家”という特殊な立場なので、女子美でもちょっと異質な存在かな、と思いながら教壇に立っています。学生さんの中には、華道を極めて仕事にしようという人はなかなかいないでしょうからね。だからこそ講義の内容はいけばなのことに限りません。自分がどんな経緯から今の仕事に取り組んでいるのかを話したり、実際に旬の花をいけたり、スライドで作品を見せて発想方法について伝えたりしています。ほかにも学生さんをイベントに巻き込んで、学校の外の社会と接点を持つ機会を設けることで、これから先の選択肢を広げてもらえばいいなと考えています」舘鼻先生(以下、敬称略) 「僕は学生時代から染織など工芸に携わってきました。女子美でもその分野について講義しています。ただ、手仕事を極めていく工芸の世界であっても、素材や道具、技術はあくまで自己表現のツールです。創作を通してメッセージを発信することこそが大切だとずっと考えてきました。僕が今、現代美術家として、靴や絵画、彫刻などカテゴリーを限定せず取り組んでいるのも、その表れです。学生さんには、ジャンルや手法にとらわれず、自分らしい表現を追究してほしいと思っています」假屋崎 「そうですね。この1〜2年はコロナ禍でできることが制限されていますが、どんな状況でも人それぞれ琴線に触れるものは変わらず存在します。そこからイメージが膨らみ、感動が生まれるものです。家の中にだって小さな喜びはいくつもあります。いつでも世界にアクセスし、人と会話して、素晴らしい作品に触れられる。凄い時代です!」舘鼻 「人と直接会って得られるインスピレーションは計り知れませんが、こういうご假屋崎省吾先生舘鼻則孝先生

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