年次年次年次年次1234伝統を踏まえ自由で新しい日本画をめざす。085○教育目標 日本画専攻では、作品制作を主としながら、材料・素材研究や古典研究など幅広い視点から総合的に日本画を学ぶことで、自然と人間への理解を深め、個々の豊かな資質と若い感性を活かした次代の日本画の創造に主体的に取り組み、生涯美術に関わることのできる人材の育成を教育目標とする。 ○カリキュラム・ポリシー 教育目標に到達すべく、以下のカリキュラムを編成する。【知識・理解】(教養力・専門性)日本の歴史や伝統、文化に関する理解や、日本画制作の工程、日本画絵具の特徴を学び身につけるとともに、作品発表を通してプレゼンテーション力を高め、社会に発信していく力を養うための科目を配置する。【関心・意欲・態度】(主体性・積極性)対象から学ぶ写生の重要性を基にした日本画制作を通して、日本画表現技法の習得、専門性を深め、自己の作品制作のテーマを追求しながら、生涯にわたり制作を継続する力と態度を身に付ける科目を配置する。日本画の材料技法だけでなく西洋の古典絵画技法なども柔軟な思考で学ぶことによって、新たな日本画の創造を目指す姿勢と、自身の表現を深める力を身に付けるための科目を配置する。【思考・判断】(論理性・想像力・洞察力・社会性・発信力)取材方法、構成方法、表現技術という作品制作プロセスの研究を通して構想段階の重要性について理解を深め、各自の発想をより堅固な形にしていくための科目を配置する。各自の創作表現と社会との関わりについて考える機会を設け、美術の公共的役割について考える力を養うための科目を配置する。【技能・表現】(創造力・独創性・対話力)日本画制作、素材研究や古典研究を通して、日本絵画材料と表現技法に向き合い、自由で独創性豊かな作品制作、研究を行うことができる力を身に付ける科目を配置する。創作表現について論理的に考察、文章化するとともに、学内外での作品発表やギャラリートークの実施を通して、自身の表現について言語化して他者に伝える力や他者の作品についても客観的に鑑賞、考察する力を身に付けるための科目を配置する。日本独自の美意識の中で育まれてきた日本画。その魅力は、多くの自然素材を用いることで生み出される日本の自然観、精神観を映し出した、豊かな表現にあります。本専攻では、日本画に欠かせない描写力、構成力を高めながら、和紙、岩絵具、筆、表具、箔などの伝統的な材料を使いこなすことを基本としています。伝統を踏まえながら、学生一人ひとりの自由で現代的で、豊かな感性に根ざした日本画を追究していきます。基礎力を高め素材への理解を深める。素材と技術を研究し表現の幅を広げる。客観的に自己の制作をとらえ主題と表現の関わりを探る。これまでの知識と経験を注ぎ込み大作に挑む。日本画の画材に親しみながら、対象物を的確に把握し、描写する技術を習得していく1年次。植物、風景、動物などのデッサンや写生を通じて、日本画制作のベースとなる基礎知識と造形力を身につけます。また、他専攻の実技も学ぶことで、幅広い視野と創造力を養います。描写力や造形力を高めながら、水墨表現の基本を集中的に学び、技術面、精神面の向上を図ります。絵具作りや紙漉きなどの素材研究や模写による古典研究も。さらに、他専攻の多様な材料技法も学び、自由で個性的な、現代の日本画を描くための土台をしっかり固めます。人体デッサン、人体制作、自由制作などの大作に取り組み、独自の日本画表現へと発展させていきます。また、古典技法の学習を深めることで、多様な表現技法や素材に関する知識も修得。日本画制作に対する視野を広げ、各自の表現のテーマを明確にします。前期に100号の自由制作を2点、後期には卒業制作として自由なテーマで150号程度の作品制作を行います。教員と密な対話を重ねながら各自の発想を広げ、個性豊かな作品制作をめざします。これまでに蓄えた力を余すことなく発揮し、作家としての意識を高めます。
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