立体アート専攻学生インタビュー高校時代、衝撃を受けた立体教授の授業中学時代から女子美に通い、女子美歴10年。高校時代はデザインを専攻していましたが、立体アート専攻を選んだのは、高3の時に受けた立体アートの教授の出張授業がきっかけです。初回の授業でモデルになったのですが、先生とはもちろん初対面で、しかも制服を着ていたにもかかわらず、自分でも気づかなかったような身体の特徴を、見た瞬間に即座に掴まれて。立体を学ぶと、こんなにも形を捉える目が強化されるのかと度肝を抜かれました。そこで一気に立体に興味を持ち、立体アート専攻へ。入学時点で彫刻の知識はまったくありませんでしたが、素材の基礎から、階段を上がっていくように丁寧に指導していただき、少しずつ成長を重ねていくことができました。また、現役の彫刻家としても活躍されている先生方には、厳格なイメージを抱いていましたが、まるで家族のように寄り添って作品について熱く語ってくれる温かな存在で、それはちょっと嬉しいギャップでした。穏やかな環境のなかで作品制作に夢中になれる立体アート専攻では、1~2年次にとにかくいろいろな素材と関わっていきます。さまざまな素材に直接触れ、扱い方を知っていくなかで自分と相性のいい素材を見つけ、2年次後半から専門とする素材を絞り始め、3年次からは5つのコースに分かれて専門性を高めていきます。私が選んだのは「木」。なんで?と言われると、好きだからしか思いつかないのですが、触っていて一番楽しくて手に馴染んだのが木。でも、他の素材がダメだったわけではなくて、木が一番、もっと知りたいと思ったんです。2年次の木彫の授業で、ほぼ初めての木彫作品としてチャウチャウ犬を作ったのですが、とにかく夢中になって、課題提出までの2週間、居残りしてずっと彫り続けていました。その間ずっと「もっと作りたい!」という気持ちでいっぱいで、これなら続けられると思いました。ここにあるのは、穏やかに作品と向き合う大切な時間。木彫なしには生きられない、というくらい熱量も愛着も湧いています。立体アート専攻 3年 小谷眞白さん(取材当時)女子美術大学付属高等学校(東京都)出身素材の基礎から段階的に学ぶなかで着実に成長を積み重ねていけます。096
元のページ ../index.html#98