5領域合同セッション芸術学部ー アート・デザイン表現学科 2024年度入学生からスタートした新カリキュラムの目玉ともいえる3年 次 後 期の5領 域 合 同 授 業。この授 業の意義や内容について、ぜひ考えをお聞かせください。保 高(HL) 「 領域融合自体は、14年前にアート・デザイン表現学科ができた時から強く意識されてきました。お互いの専門が交わるうちに化学変化が起き、新しいものに化けていく。その積み重ねのうえに、この新しいアート・デザイン表現学科の領域融合の形があります。新しいカリキュラムで特に意識しているのは、3年次後期という、それぞれが専門性を積み上げ、専門家としての意識が高まっている時期に5領域すべてが融合する合同授業を行うことです。それぞれの専門性をきちんともったうえで互いに混じり合い、共通の目標に到達していくことに、大きな可能性があると思っています。異なる専門、異なるアイデア、異なる価値観が混じり合い、カオスの中から思いがけない新しい動きが生じてくる。このエネルギーで、協働と融合の祭典のようなものができるのではないかと考えています」季 里(MD) 「 前のカリキュラムでも2年 次に全 領 域 合同 授 業があり成 果が 出ています。この合 同 授 業をさらに進 化させるために各 領 域の 専 門 分 野を極めてからコラボレーションすることで、自分の専門性を持って他者を理解していく大きなきっかけになると思っています。大勢の、さまざまな人が集まり、一つのゴールに向かっていくなかで、相 手を 尊 重し、多 様な 表 現 に 興 味を持って自分を出し切る。その経験は、オープンなコミュニケーションの方法を学ぶいい機会にもなります。アート・デザイン、その中心に人がいるというアート・デザイン表現学科のテーマにも相応しい学びの場になると思います」山村(F) 「自分の専門とは普段は関わりのないようなものに対して、それぞれが専門性を生かしたアイデアを出してつくっていく。それを5領域が合同で実践することは、お互いの気づきにつながるいい機会になると思います。また、特にファッション表現領域の学生は大きな空間やコミュニティに向けてものづくりをする機会が少ないので、合同授業の中で自分の役割を果たしていくことは、学生たちにとって貴重な経験になるはずです」後藤(SE) 「5領域合同で共通の目標に向かった祭典やイベントを行うことはすごくいいですね。それを創り上げるためのプロセスも学生主体で考え、普段とは違うやり方を見つけられたら、さらにいい学びになりそうですね」日沼(CP) 「領域や学生それぞれが持つベクトルが、ぶつかったり融合したりしながら『心』が動き、コラボレーションが生まれていく。そこから学ぶことは、ものづくりという人間の表現の原点と、コミュニティの中で表現が社会化されていく場のあり方だと思います。クリエイティブ・プロデュース表現領域の学生は、コラボレーションを通して人と人とがつながる『場』のあり方を考え、文字通りプロデュースする役割で貢献していけたら良いと思います。領域を越えて全方位でつながっていける機会は、とても大切なものだと感じています」3年次後期の5領域合同授業が領域融合の集大成に118
元のページ ../index.html#120