大学案内2026
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(2025年5月取材 Photo:吉濱篤志)から通っていた学校だから、単純に嬉しかったですね。そして、すごく貴重なことだと思いました。電 球はひらめきやアイデアのモチーフ。シャボン玉を電球に見立てて、シャボン玉が無限に広がっていく様子を、アイデアがどんどんひろがっていくイメージに重ねました。「素敵なアイデアとひらめきを、世の中に送り出してほしい」。そんな思いを込めたビジュアルです。普段からラフは自分で鉛筆(本当はシャーペン笑)で描いて、それをスキャンしてパソコンで色をつけてつくっています。今回も同じように、鉛筆のラフから始まりました(P1 参 照 )。タブレットや 写 真の合 成ではなく、鉛筆な理由は、カンプに左右されすぎないようにしたいから。特にクライアントは、一見仕上がっているように見えるカンプを見ちゃうと、そこが最終の方向だってたぶん思ってしまうから、想像できる余白をできるだけ残しておきたいなって。リアルにするから面白さがある撮影の時にけっこう苦労したのは、シャボン玉の虹色の表現。電球に見えてほしいけど、シャボン玉にも見えてほしい。その絶妙なバランスをとるのがすごく難しくて、5時間くらい粘りました。アイデアを考える時、リアルに見せられるかどうかは、とても大事にしています。リアルにするからこそ面白さがあるし、より人にも伝わると思うから。そのために、自分で実際に手を動かしてみる。こうなったらリアルに見えるんじゃない?って感覚も、やってみてわかるものだから、自分の手でやりたいんです。だから、アイデアを考える時は、どうつくったらいいかも同時に考えています。そのせいか、不可能すぎる案はあまり浮かばないかな。また女子美に戻って来られて嬉しい!2025年度からは、客員教授として久しぶりに女子美に戻ることになりました。たくさんの思い出がある場所だからとても嬉しいし、皆さんにお会いできるのがとても楽しみです。働いてみて思うのは、自由な時間があるのは、学生のうちだけだったんだな、ということ。いろんなものを見て、吸収して、旅行にも出かけて。女子美のみんなには、今だけの時間を、大事に使ってほしいなと思います。

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